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No.22 NPO法人 兵庫さい帯血バンクだより 第7号(2005年3月)に掲載

  

 

オカ・レディース・クリニック 岡 憲史

 当院(写真1)は平成10年1月に診療を開始し、現在は年間350件前後の分娩を取り扱っています。平成16年末には2000例目の分娩を迎えることができました。本来は施設紹介ということで原稿依頼を頂いているのですが、むしろこの機会に、私個人と臍帯血バンクの出会いについて御紹介したいと思います。
 きっかけは、パルモア病院の勤務医だった時、確か震災直後の平成7年でした。妊婦検診で通院中の患者さんの1人がある日、臍帯血バンクを紹介する新聞記事の切り抜きを手に、「できればこれに協力したい」との申し出をされました。
 私はそれまで恥ずかしながら臍帯血バンクの存在すら知らなかったのですが、「知らない」から「できない」とは言えません。まずはボランティアの有田美智世さんの訪問を受けて、臍帯血バンクの何たるかを直接教えて頂きました。その結果、「これは協力する価値がある」と判断し、採取する立場にある者としての活動を開始しました。
 以前より骨髄移植の問題点、すなわち提供者側の負担には大いに疑問を感じていました。次に、私は元々麻酔科医で、それも周産期の麻酔管理を専門としていたのですが、局所麻酔薬の胎盤移行を研究したことがありました。その際に臍帯血を採取する機会が多く、慣れた手技でもあったので、取り組みは容易でした。
 以後産科医療の現場では、できるだけ多数の臍帯血を採取するよう努力いたしました。その間、ボランティアの皆様や原宏(名誉)教授以下、兵庫医大輸血部スタッフの皆様等、多くの素晴らしい方々と出会うことができました。
 写真2は有田さんと一緒にAM神戸(現ラジオ関西)に出演した時のスナップです。この番組内で、臍帯血を提供された患者さんが、司会者に電話インタビューを受けています。この方は神戸市北区にお住まいの大田和栄さまで、実はその後に私の院で2回出産され、さらに臍帯血を提供して頂きました。大田さま御一家には最近当院を訪問して頂きました(写真3)。ご覧の通り、お子様達も健やかに成長されていることを、ここに御報告申し上げます。
 
 なお、私が臍帯血バンクに関わるきっかけとなった、新聞の切り抜きを持参された患者さんも、その後は出産こそされていませんが、婦人科検診のため定期的に訪れて頂いております。
 私は以前から医療、特に産科に関しては自身のポリシーに基づいて、それを行いたいという願望があり、開業という道を選びました。そのことについてはほぼ満足していますが、最近つくづくと個人医院の限界というものも感じます。医療の内容についてもそうですが、臍帯血の採取をしたくても、例えば外来診療の時間帯で他の患者さんを待たせられないとか、産後の出血が多い時は、まずは止血という治療行為を優先せざるを得ません。その結果、臍帯血の採取を断念したということが多々あります。
 言い訳じみてしまいましたが、臍帯血バンクへの協力が十分にできていないことについて、非常に悔しく感じております。
 しかし少なくとも関西では、産科医による活動の先駆けであったと自負しておりますので、協力を止めるということは(意地でも)致しません。ささやかながら今後とも、バンクの益々の充実に貢献してゆきたいと思っております。

 

 

 

 

 

 

 

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